来日作品を見逃すな!

マネ《フォリー=ベルジェールのバー》、ルノワール《桟敷席》が見られる!

1.エドゥアール・マネ《フォリー=ベルジェールのバー》 3.ピエール=オーギュスト・ルノワール《桟敷席》 5.ポール・セザンヌ《大きな松のあるサント=ヴィクトワール山》
左:エドゥアール・マネ《フォリー=ベルジェールのバー》1882年 油彩、カンヴァス 96×130cm コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
中:ピエール=オーギュスト・ルノワール《桟敷席》1874年 油彩、カンヴァス 80×63.5cm コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)
右:ポール・セザンヌ《大きな松のあるサント=ヴィクトワール山》1887年頃 油彩、カンヴァス 66.8×92.3cm コートールド美術館 © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)

コートールド美術館展 魅惑の印象派

東京都美術館(東京・上野公園)
2019年9月10日(火)~12月15日(日)
愛知県美術館(愛知・名古屋市)
2020年1月3日(金)~3月15日(日)
神戸市立博物館(兵庫・神戸市)
2020年3月28日(土)~6月21日(日)

コートールド美術館とっておきの名品約60点が並ぶ展覧会が開催されます。
 イギリスの実業家でありコレクターでもあったサミュエル・コートールドは1932年、ロンドン大学に美術研究所が創設されると聞いて、自身のコレクションを寄贈しました。研究所はコートールド美術研究所と命名され、その優れた印象派・ポスト印象派作品のコレクションを基にコートールド美術館が併設されました。
 今回の展覧会のテーマは「読み解く」。不可解な構図のエドゥアール・マネの《フォリー=ベルジェールのバー》、同一人物をモデルにするポール・セザンヌの《カード遊びをする人々》と《パイプをくわえた男》、エドガー・アラン・ポーの詩『大鴉』と無関係とは思えないポール・ゴーガンの《ネヴァーモア》。ほかにもルノワール、ドガ、モネ、モディリアーニ、ロートレック、ゴッホなど、よく知られる画家たちの優品が並び、これら作品に残された謎を、デッサンの検証や赤外線撮影、時代背景などの研究から読み解いていきます。

晩年の傑作と名高い『フォリー・べルジュールのバー』を見るために、ボクはロンドンのコートールド美術館に、すでに六回も足を運んでいる。最初から不思議な絵で、鏡に映ったバーテンの女性を正面から画いているのだが、脇の男性や飲みものの瓶などの位置関係がオカシイ。死の前年だから、と妙なことまで考えたが、他の作品はしっかりしている。結構悩んでいたら、「マネとモダン・パリ」展(注:2010年東京)で、その習作を見て氷解した(個人蔵が見られるのは特別展の恩恵である)。この油彩の習作では、マネは中央のバーテンにやや左を向かせ、その方向に男性を配して鏡との位置関係もまっとうである。ところが完成作ではバーテンに正面を向かせ(得意の謎めいた表情で)、男性とバーテン自身のうしろ姿は全く“あり得ない”位置に描かれている。つまりマネは知っていてこう画いたのだ。(『大橋巨泉の美術鑑賞ノート4』より)

展覧会ホームページ
https://courtauld.jp
東京都美術館ホームページ
https://www.tobikan.jp
愛知県美術館ホームページ
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/
神戸市立博物館ホームページ
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/main.html
 (2019年11月1日まで休館)

クリムト《ユディトI》《アッター湖畔のカンマー城III》が見られる!

写本 -1 ユディトⅠ_掲載用-1 写本 -3-B Beethoven Fries-8 _掲載用 写本 -001モーリッツ・ネーア《猫を抱くグスタフ・クリムト、ヨーゼフシュテッター通り21番地のアトリエ前にて》
左:グスタフ・クリムト《ユディトⅠ》 1901年 油彩、カンヴァス 84×42cm ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 © Belvedere, Vienna, Photo: Johannes Stoll
中:グスタフ・クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分)1984年(原寸大複製/オリジナルは1901-02年) 216×3438㎝ ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 © Belvedere, Vienna
右:モーリッツ・ネーア《猫を抱くグスタフ・クリムト、ヨーゼフシュテッター通り21番地のアトリエ前にて》1911年 写真 16.7×9.7㎝ ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 © Archive of the Belvedere, Vienna

クリムト展 ウィーンと日本 1900

東京都美術館(東京・上野公園)
開催中~7月10日(水)
豊田市美術館(愛知県豊田市)
2019年7月23日(火)~10月14日(月・祝)

19世紀末から20世紀初頭のウィーン美術界を革新したグスタフ・クリムト(1862~1918)の没後100年を記念する展覧会が開催されています。25点以上の油彩画をはじめ、私生活と芸術活動両面からとらえた写真やデッサン、資料など計約120点が、ウィーンのベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館をはじめ各所から集められました。クリムトといえば金を使った装飾性と世紀末らしい官能的表現、また日本美術から影響を受けた美意識が知られていますが、そこに至った背景を含めて、クリムトの華麗な世界をあますところなく観ることができます。

第1章「クリムトとその家族」は、クリムトや親友フランツ・マッチュの貴重な写真から始まります。第5章「ウィーン分離派」では、本展のポスターにもなっている黄金様式時代の代表作《ユディトⅠ》や、そのテーマが衝撃を与えた《ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)》、展示室の壁面に巡らされた分離派会館の壁画《ベートーヴェン・フリーズ》の原寸大複製などが並びます。最後の8章「生命の円環」は、1902年作の《亡き息子オットー・ツィンマーマン》から始まる生命を凝視するクリムトに注目。赤子、若い母、老いた祖母が描かれた初来日の大作《女の三世代》で締めくくられています。

若い頃の絵には、独特のエロティシズムに溢れていた。(中略)官能性があるのは、女性の表情と構図による。旧約聖書(外典)に出てくる『ユディトⅠ』は、色仕掛けで敵将の首を取るユダヤ人女性だが、クリムトは「眼」にものを言わせている。(『大橋巨泉の美術鑑賞ノート5』より)

展覧会ホームページ
https://klimt2019.jp
東京都美術館ホームページ
https://www.tobikan.jp/
豊田市美術館ホームページ
https://www.museum.toyota.aichi.jp/

クリムトの《エミーリエ・フレーゲの肖像》、エゴン・シーレの《自画像》が見られる!

3.グスタフ・クリムト《第1回ウィーン分離派展ポスター》(検閲後) 1.グスタフ・クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》  4.エゴン・シーレ《ひまわり》
左:グスタフ・クリムト《第1回ウィーン分離派展ポスター》(検閲後)1898年 カラーリトグラフ ウィーン・ミュージアム蔵 ©Wien Museum / Foto Peter Kainz ※大阪展では同作品の別版を出展
中:グスタフ・クリムト《エミーリエ・フレーゲの肖像》1902年 油彩/カンヴァス 
ウィーン・ミュージアム蔵 ©Wien Museum / Foto Peter Kainz
右:エゴン・シーレ《ひまわり》1909-10年 油彩/カンヴァス ウィーン・ミュージアム蔵 ©Wien Museum / Foto Peter Kainz

ウイーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道

国立新美術館(東京・六本木)
開催中~8月5日(月)
国立国際美術館(大阪・中之島)
2019年8月27日(火)~12月8日(日)

19世紀末、ハプスブルク帝国末期の華麗な芸術を生んだ「世紀末への道」は「モダニズムへの過程」であると位置付けて、「ウイーン・モダン」と名付けた展覧会が開催されています。

中心となるのは、1897年にオーストリア造形芸術家協会(分離派)という革新的芸術家集団を結成したグスタフ・クリムト(1862~1918)の作品47点、クリムトを敬愛しながら新しい表現の道を切りひらいたエゴン・シーレ(1890~1918)の作品22点、オスカー・ココシュカ(1886~1980)の作品17点です。※大阪展はクリムト18点、シーレ11点、ココシュカ8点。

展示は、首都ウィーンの都市としての変化を、ウィーン文化の芸術作品やウィーンの都市化を示す資料で追いながら進みます。第1章は1740年代から1790年代、社会改革を行って自由な知識人をウィーンに引きつけた皇帝ヨーゼフ2世が統治した時代。第2章は1814年から1848年頃の日常生活の実用美に価値を見いだしたビーダーマイアー時代。第3章は1848年から1916年の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の治世時代。1857年にウィーンを囲む城壁を取り壊してリンク通りを開通させ、ウィーンが中世から近代へと変貌を遂げ、豊かな芸術が育まれていった時代です。

そして、展示の大部分を占める第4章は「1900年―世紀末のウィーン」と題され、近代建築の先駆である建築家オットー・ヴァーグナー(1841~1918)らによるウィーンの都市づくりの図面や模型に始まり、クリムト、シーレ、ココシュカらの傑作が並びます。その中にはポスターなどのグラフィック類も多数あります。また、1903年に設立されたウィーン工房から生まれた、椅子、食器、花瓶などの工芸品も見どころです。

フランツ・ヨーゼフ一世は、ナポレオン三世と競うように、ウィーンの大改造に着手する。今ウィーンを訪れると、リングと呼ばれる大通りが中心地を一周している。ここにはそれまで城壁があったそうだが、皇帝はそれを取り壊し、明るい近代都市化を目指したのである。この時代の流れに呼応するかのように、一人の天才が、スラム街に生まれたのが一八六二年(中略)このグスタフ・クリムトという少年は幼くして画才に恵まれ、弱冠十四歳で奨学金を得て、ウィーン工芸美術学校に入った。(「大橋巨泉の美術鑑賞ノート5」より)

展覧会ホームページ
https://artexhibition.jp/wienmodern2019/
国立新美術館ホームページ
http://www.nact.jp
国立国際美術館ホームページ
http://www.nmao.go.jp/

国立新美術館(東京・六本木)の「ウイーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」の
チケットを5組10名様にプレゼント

ご希望の方は、ご希望の展覧会名、お名前、郵便番号、ご住所、年齢、「『大橋巨泉の美術鑑賞ノート』でめぐる世界の美術館」または『大橋巨泉の美術鑑賞ノート』シリーズの感想を添えて、下記よりご応募ください。応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。なお当選はチケット発送をもってかえさせていただきます。重複のご応募は無効となります。
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